家づくりの一歩

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女性建築士のワンポイントチェック

家づくりの第一歩は、

キッチンをチェックする

イメージ:キッチンのチェックポイント

住まいは、家族が憩い楽しみ、そして安らぎを得る場所。
何か物を生産するところではないのですが、キッチンだけはちがいます。
「料理をつくるちっちゃな工場」の隅々をチェックしてみましょう。

■広さ
キッチンプランによっても異なりますが、設備・収納部分を含めて4畳前後が一般的です。逆に、あまり広すぎても無駄な動きが多くなってしまい、作業効率が悪くなります。
■動線計画
一連の作業がしやすい動線ができていますか?買い物やゴミ出しのことを考えると、勝手口はあったほうが便利。ユーティリティを隣接させて、炊事と洗濯がスムーズにできる計画がおすすめです。
■型式
独立型キッチン…調理で生じる臭いや煙がLDまで及びにくいです。不意の来客にも慌てることがないですね。
セミオープン型…対面型が多いです。ダイニングと対面できるようになっているので、主婦が孤立しません。対面カウンターに引き込み戸をつければ、手元を隠すこともできます。
オープン型…家族の誰もが炊事作業に参加しやすくなります。しかし、臭いや熱の問題は生じるので換気対策などが必要です。
■建具
窓は、単に採光のためだけでなく換気にも大きな役割を果たします。換気の際には吸気のための開口も必要。レンジフードで換気する際には、窓を開けることで、スムーズに換気できます。
■収納
買い置きの食品をまとめてストックできる食品庫は、とっても便利です。
■設備
キッチンに出入り口が2ヶ所ある場合、それぞれの箇所で全体照明を点滅できるスイッチ(三路スイッチ)を取り付けておくと便利です。 
■仕上げ
油はねなどにより、タイル目地だと汚れが気になりがち。最近では、継ぎ目が一箇所程度で済む大型パネルもおすすめです。

浴室をチェックする

私たち日本人にとって浴室は、単に体をきれいにするためだけのものでなく気分をリラックスさせるという目的もありますよね。

それだけに機能面だけを追求するのでなく、心身共に疲れをいやしてくれる…そんな『ほっと一息つける』浴室をつくりたいものです。

■広さ
間取りの関係などからも左右されますが、だいたい1坪前後。あまり広すぎても冬が寒々とします。将来的なことを考慮すれば、介護者の入れるスペース、シャワー椅子のおける広さなども確保したいです。
■ユニットバス?それとも…
2階に設けるのであれば、防水のことからユニットバスがおすすめ。水漏れなどの心配がありません。ハーフユニットを使い壁は板張りにすることも可能です。
より個性的な浴室を求めるのであれば、在来工法がおすすめです。
■浴槽
和風・和洋折衷・洋風などのタイプがあるが、あまり深くなく足をのばして入ることのできる和洋折衷タイプが一般的(和風は足を曲げて入るタイプ。また、洋風は、横になって寝た形で入るタイプ)。浴槽の縁の高さは、400~450にしておくと歳を取ってからでも、縁に腰掛けて入ったり、立位であっても手すりに捕まってまたいだりしやすい寸法です。
■設備
加齢配慮と言うことだけでなく、家族の誰もが安全に入浴することために、ぜひ手すりは設置したいものです。換気扇も必需品です。最近では、換気・乾燥(雨の日には浴室が乾燥室に)・予備暖房(冬、室温の急激な変化はお年寄りには特に良くありません)と一台で何役もこなす便利なものも。浴室用の換気扇のスイッチにはタイマー付きが便利です。
■アイデア
浴室から見える庭は、気分をよりリラックスさせてくれるはず。ストレス解消にも大いに効果がありそうです。

トイレをチェックする

トイレは、他の部屋に比べると、第一に!と気合いを入れて考える場所にはなりにくいのですが、毎日何回も使う場所であるだけに、居心地のいいトイレ目指して、チェックしてみましょう。 

■広さ
設備によって変わります。腰掛け便器のみであれば一畳くらいが一般的ですが、洗面も可能なサイズの手洗い器を取り付けたり、小便器を別に取り付けたりする場合は最低1.5畳ほどの広さは必要です(あまり広すぎてもなんとなく落ちつかないですけどね)。
■設備
1.腰掛け便器 手洗い付きか手洗い無しかを決めます。加齢対策として、温水洗浄便器も必需品となってきます。
2.小便器 男子家族の多い家庭には、小便器もあった方が何かと便利。小スペースでも設置可能なコンパクトなタイプもありますよ。
換気扇…スイッチは照明とは別で設けると便利です。
3.手すり 言うまでもなく必需品です。今は必要でなければ、壁を補強してあと付け可能になります(点壁下地にベニヤ合板を使えば、どこにだって取り付け可能です)。
■仕上げ
しっかり水で洗いたい人は、タイル貼りがおすすめ。最近は水洗式がほとんどで、トイレだけ別棟いうことはまずないので、水や汚れに強い塩ビ系や、廊下と同じ仕上げにすることが多いです。
床がタイルであれば腰高まではタイルで。一般的なのは、水や汚れに強いビニール系の壁紙など。
■ちょっと一言
最近は、いろんな色の便器が出回っています。トイレマットや便座カバーなどを使うのであれば、どんな色・柄にもマッチして汚れも比較的目立ちにくいアイボリーがおすすめです。

熟年・高齢者スペースチェックする

核家族化・少子化が進んでいる現代の家こそ、加齢配慮した住宅は必要不可欠です。少しでも長く自分の力で生活ができるように、最初から長い目で計画することが大事です。応用を利かせて、住宅を考えるときには、必ずチェックしてください。

■基本仕様
バリアフリーとするのであれば、出入り口の有効寸法は、75センチ以上。段差は3ミリ以下とします。寝室に近い場所に、トイレ・浴室を配置し、階段を利用せず日常生活が送られるよう配慮しましょう。
■広さ・構成
広さは、一人用でも5畳から8畳ほどは確保したいです。加齢するにしたがって、布団の上げ下ろしはつらくなるもの。足・腰にかかる負担を考えると、ベッド生活の方がよいでしょう。ほこりも立ちにくくなります。
■仕上げ
床には、安全性・保温性に優れたコルクタイルが最適です。カーペットは、歩行の安全性を考えて、敷き詰めに。できれば床暖房を備えておくとGOOD!
■設備(照明)
全体照明に蛍光灯のシーリングライト(天井直付けの照明器具)。明るさはワンランク上のものを。リモコン操作のできるものが便利です。 
■収納
日頃よく使うものを、楽な姿勢で出し入れできるかどうかをチェック。
■窓
自然光の明かりは必須。採光・通風を配慮した建具を計画。防犯を考慮して設置する雨戸は、開閉の楽な電動式のシャッター雨戸などがおすすめ。
■ア・ラ・カ・ル・ト
何もかも楽して…というのではなく、無理なく安全に利用できるよう配慮することが大切です。例えば、階段も急勾配でなく、手すり付であれば、あっても◎。老いを遅くするためには、少々の運動も大事です。また、今はなくても将来的にできるような配慮は、当然必要。例えば、階段沿いの壁には手すりの下地を入れておくことなどお忘れなく!!

寝室をチェックする

個室として、プライベートな空間になる寝室。プライベートといっても、夫婦にとって貴重な共同部屋ともなります。ライフスタイルによっていろいろなパターンがあると思いますので、どう構成するか、さまざまな角度からチェックしてみましょう。

■広さ
和室であれば6畳。洋室であれば、8畳は欲しいものです。ダブルベッドなら、6畳でも設置可能です。しかしこれは寝室機能だけの場合。クローゼット・書斎 なども入れたい場合、そのスペースは+αで考えましょう。
■仕上げ
床は、保温性や防音性を高めたいならカーペット敷き詰めに。フローリング床なら、ベッド周りに部分敷きをするのも良いでしょう。
■収納
入れるのが衣類だけであっても、一坪は欲しいところです。
■窓
出窓は、窓台をベッドヘッドのカウンターに。これをスタンドや小物置き場に利用します。プライバシーの保護なども考えてデザインすることも大切です。
■設備(照明)
主照明にシーリングライト(天井直付けの照明器具)。その周りにダウンライト。補助照明をブラケットやスタンド…などと、プライベートタイムを演出する照明設備を考えましょう。
■ア・ラ・カ・ル・ト
出入り口を一箇所にし、中で夫と妻の部屋に分けたり(図1)、寝室の真中を引き戸で仕切ったりすることも可能です(図2)。こうすれば、共働きなどで就寝時間の違う夫婦も、お互いを気兼ねせず生活時間のずれをカバーすることができます(ちなみに我家は、図1のタイプがぴったりかな…)。

子供室をチェックする

一口に子供室といっても、年齢、兄弟・姉妹の有無、子育てに対する考え方によって、プランニングは多種多様。いずれにしても成長に合わせて変化させられる柔軟性が必要です。子供がのびのびと成長することができる…そんな子供室を考えたいものです。

■広さ・構成
最近の家族の持つ子供は、標準で2~3人。スペースにすれば、共同部屋であれば8~10畳。個室であれば5畳前後が必要となります。もしいまは共同部屋として作るのであれば、将来は仕切って個室になるよう出入り口や窓などを個室の数だけ計画したいものです。間仕切りは、あまり個室化しないよう収納家具で仕切っても良いでしょう。
子供の成長に合わせて、フレキシブルに対応できることが一番です。
■仕上げ
床は、フローリングが良いと思いますが、音が問題になる場所であれば、防音・防振対策を!壁仕上げは、小さいときに遊び感覚いっぱいになる楽しい柄のクロス貼りにするのも良いですね。成長と共に汚れた壁は、新しいクロスに張り替えて。落ち着いた雰囲気にして脱幼児期をしましょう。
■設備(照明)
主照明にはシーリングライト(天井直付けの照明器具)。光源は部屋全体を明るく照らす拡散照明の蛍光灯を。デスクライトにスタンド。蛍光灯ならちらつきの少ないインバータータイプを。
■収納
広さは、半坪~1坪くらい。将来対応を考えて、つくり付けは、最小限に。
■窓
できるだけ自然光をいっぱい取りたいものです。通風も考えて2ヶ所に。
■ア・ラ・カ・ル・ト
未来に向けて可能性いっぱいの子供の部屋。夢を育む空間として、遊び心も忘れずに計画したいものです。 

和室をチェックする

個人的にも…ひとつは欲しいのが和室。その便利さといったら、何と言ってもその多目的性です。客間に良し。茶の間に良し。寝室に良し。季節の行事に良し。…と数えあげたらきりがありません。「やっぱり日本人!一件に一部屋はほしい!」そんな和室造りをチェックしてみましょう。

■床の間
本格的にしつらえるのであれば,床の間も一段高くした本床。天袋・地袋・違い棚のある床脇や書院も設けて。簡易的にするのであれば、どんな形でもOKです。形・高さにとらわれず、和風を楽しみましょう。
■仕上げ
床…やっぱり畳です。一般的には"ヘリ"のついたもの。昔は,ヘリの柄も階級によって違ったのです。最近よく見かけるヘリのない正方形の畳(琉球畳)は、素朴な感じがありますね。
壁…塗り壁の左官仕上げにするのが理想的。昔の土壁は、手で触るとぼろぼろ剥がれるため敬遠され、クロスに切り替えるケースもしばしばありました。しかし最近の塗り壁は剥がれ落ちることもなく、またシックハウスなどのことを考えるのであれば断然土壁がおすすめです。しかし予算的に厳しいときは、紙クロスで和の雰囲気を崩さぬようにすることもできます。
■収納
一般的には押し入れとなります。収納空間を確保しつつ狭さを感じさせない吊り押し入れもおすすめ。地窓をつければ通風にも一役買います。
■ア・ラ・カ・ル・ト
仕切りの役割を果たすとともに光を和らげる効果もある障子を取り入れましょう。
また、和室にエアコンの室内機が出てしまうとせっかくの雰囲気も台無し。埋め込みで和の雰囲気を損なわないように。

家事コーナーをチェックする

『家事』というと、大きく分ければ炊事・洗濯のふたつ。しかし、主婦の仕事は挙げ出すとキリがありません。アイロン掛や、家計簿の整理もそうですね。最近は、パソコンを利用する主婦も多く、主婦の書斎的に使われることも多いことから『主婦コーナー』とも言われます。
どんな作業をするかで構成も変わってくるかと思いますが、共通して言えることは、諸々のハウスワークを効率良くこなせるかどうかを考えること。活き活きと家事がこなせる…そんな主婦コーナーを考えてみたいです。私も一応兼業主婦の身としては、いかに家事を効率良くこなすかは日々の課題です!

■動線
なんと言ってもメインは家事。『ながら族』って言葉は主婦のためにある言葉だと信じております。炊事動線と洗濯動線につかず離れずの関係で位置し、スムーズに作業の切り替えができることが、効率よく家事をこなすためのポイントです。また、炊事動線と洗濯動線。すなわち水回りが効率よく配置されると言うことは、建物のコスト面にも影響します。
■役割
  • (1)洗濯コーナー
  • (2)衣類乾燥コーナー(雨の日の洗濯物の行方も)
  • (3)家事管理など主婦コーナーとしての役割
  • (4)掃除用具などの保管場所
  • (5)日用品などをストックする場
  • (6)アイロン掛けの場
  • (7)趣味の場
などどんな役割を持たせるかで、構成の仕方や広さ、配置場所が決まってきます。
■配置計画
炊事作業との両立を考えると、キッチンに隣接させて考えることが一般的。洗濯作業のことも考えれば、洗面・脱衣室との動線計画も重要になってきます。
■収納
洗剤・タオル・などの日用品のストックや、掃除機・アイロン。また、趣味のコーナーにもなるのであれば、ミシンなどの収納場所が必要。できれば天井まで余すことなく収納場所として利用したいものです。
次回は、もう少し具体的に、また、いくつかの例をあげて、ポイントをチェックしてみようと思います。 

家事コーナーをチェックする - その2

家事コーナーのなかに十中八九組み込まれるものは、たぶん洗濯機と家事管理のためのデスク的なものですよね。

まずは洗濯コーナー。これをどこに設けるか…ドラム式の洗濯機なら、思い切ってキッチンに設置してみては?上部はカウンターとして使うことができますし、炊事作業と一連の作業として、洗濯物の洗浄乾燥を進めることも可能です。 また洗濯干場に近い位置に設けるのであれば、キッチンや洗面所など他の家事ゾーンとの道線の短縮化が図れるのかをチェックしてください。

設置する場所によっては、洗濯コーナーがオープンではちょっと見苦しい。そんなときは思い切って扉をつけてしまうというのも良いですよね。 そして、子供がいるいないにかかわらず洗濯コーナーにあると便利な設備が、洗濯流し。ひどい汚れ物があるときには重宝します。

また、洗濯機・洗濯流しへの給水は、混合水栓でお湯も使えるようにしておくと好都合です。お風呂の残り湯が洗濯機へ直接給湯できるシステムを採用するのも便利です。

もう1点は、家事管理のためのデスクスペース。キッチン内に設けるのであれば、炊事作業の邪魔にならないところに確保できるのかどうか。
ユーティリティに確保するのであれば、洗濯や炊事、それに家族とのコミュニケーションの取りやすい場所にあるかどうかがポイントになります。

また階段の踊場などデッドスペースになりがちなちょっとした場所にコンパクトにまとめてみるのも良いですよね。家事コーナーは、主婦が家事仕事をこなすためのキーステーション。見栄え良く、効率良く、そしてかっこよく??つくりたいです。

洗面室をチェックする

洗面室は、水回りということで、浴室・洗濯室などと隣接して計画することで配管・メンテナンス・使い勝手・コスト的に満足いくものとなるでしょう。また最近では複数階の場合、上下階共に設置することが一般的になってきています。

■広さ
家族構成や設備内容で決めます。浴室と隣接して脱衣機能を持たせるのであれば、1坪前後。洗濯機能も持たせるのであれば、1~2坪は必要です。
■設備
洗面化粧台は、シャンプー水洗付の大きめボールが使い勝手◎ 。ちなみに、大きめボールは赤ちゃんの沐浴にも◎!腰に負担がかからずGOODです。うちの子は二人ともそうして入浴させていました。
大家族なら朝のラッシュ時のことを考慮して、大小2つのボールを設置しても、大きな鏡を取り付ければ多人数にも対応します。2階に洗面を設けるのであれば、コーナー的にするのも良いですね。
湯気もあがるので、換気設備は必要。乾燥機能付であれば雨の日の洗濯物干し場にもなります。特に脱衣場兼用であれば、今後のことも考えて暖房設備の導入も必要。裸になったときのあの寒さ、年を取るにつれて体にも良くないです。
設置するのであれば床暖房がベストです。
■収納
タオル類はもちろん、脱衣室兼用の洗面室であれば、入浴用品。さらには、下着なども収納しておけば、お風呂上がりに便利です。汚れた洗濯物を洗濯のときまで入れておく場所も、収納の一部に組み込んであればすっきりです。

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